鴨汁そば

osyousan2005-09-01



昼、「鴨汁そば、うどん」の幟が
はためいている蕎麦屋に入る。
ここの売りである鴨汁せいろ蕎麦を注文。

暖かい鴨肉が入った汁にせいろ蕎麦が出てきた。
これが旨い。
鴨の上品な脂と甘い味付けがマッチして
何と言えない美味しさ。
食べ終わったあとはそば湯で薄めて汁を飲み干した。


母親が生きていた頃、長兄夫婦と我々夫婦5人で
藪塚温泉に行ったことがある。
佐野厄よけ大師の近くの蕎麦屋で昼食を食べた。
母親をはじめ兄夫婦は鴨なんばんを食べていた。
私は天ぷら蕎麦を頼んだ。
この天ぷらは平凡な味。
だが鴨なんばんを食べたみんなが旨かった!と
口を揃えて言った。
こんど来るときは絶対鴨なんばんにしようと
思った。
そんなことを思い出す私って変かも。


勤め帰りに居酒屋「M」に寄る。
店の前にもう自転車が4台ある。
その中の1台に見覚えのある名前があった。
ツルツル頭のEさんがカウンターに座っていた。
Eさんは50才前の独身で失業者。
失業保険の受給はもう終わったはず。
でも昼はパチンコで、夜は飲み屋を渡り歩いている。


その隣にいるYさんは観光バスの運転手。
しゃれが得意で話が面白い。
温厚な人だが酔うと乱暴な言葉使いになる
との噂。そこまでつき合ったことはない。


一番奥で無言でテレビを見上げているのが
タクシー運チャンのWちゃん。


キムチ豆腐とレバ刺しを食べる。
レバ刺しは久しぶり。
体調が悪いときはダメ。
生ビールから焼酎の緑茶割にかわる。
突然、お品書きの中にあったウインナー炒めが
食べたくなった。
スーパーに行くと料理実演のおばちゃんが
「おとうさん、食べて行って」と声をかける
あのウインナーである。
マスターに「炒めたウインナーの上に卵を落として」と
注文。
するとバス運転手のYさんも「あれ、メニューにないやつも
注文出来るの?オレもそれちょうだい」と便乗。


出てきたウインナーは7本。ちょっと多すぎて1本残した。
Yさんの方を見たら2本皿の上にあった。
やっぱり4本くらいがいい。

酒飲みは量はいらない。
肴は旨いもの少量に限る。


「M」を出て自転車に乗ると後輪がおかしい。
パンクのようである。
下りてタイヤを確かめると8割方空気が抜けていた。
押して帰る。
マンションのそばを通ると澄んだ虫の声が秋を告げていた。
これはアオマツムシかな?


写真小:暗渠の上
写真大:朝陽を浴びる