踏塩



雨にぬれた道路。
ムックのお腹はびっちょり。




雨戸を開けると雨はあがっていた。
散歩を待ちかねているムックと外に出る。
近所の奥さんが両手を広げて空を見上げていた。


「おはようございます」と言うと「雨が降ってきたみたい、天気予報はどうかしら」と私に聞く。
「雨は降らないようですよ」と答える。
「じゃあ、行こう!」とウオーキングに出発した。


実は「みのもんたの朝ズバ!」天気予報をしっかりと聞いていなかった..。


陸橋下へ。
体操をしているオジサンがいた。
あの帽子は近所の靴屋の職人。
ここで時間調整をしていたんだ。





街路樹ハナミズキが紅葉している。
先日行った足利のハナミズキはもっと赤かった。
ウオーキングのメンバーが「昼夜の寒暖の差が激しいとこのように真っ赤になる」と教えてくれた。




今日も夫婦で葬式に行く。
式服に着替えているとムックが「また行くの?」とご機嫌斜め。
ごめんね、留守番よろしく。




環七もスムーズに流れていて1時間も前に葬斎場に到着した。
告別式は参列者が少ない。
「導師さまのご入場です、合掌してお迎えください。」
これから長い告別式が始まる。


火葬場にはマイクロバスで移動。
西新井橋(荒川)、尾竹橋(隅田川)をわたり町屋斎場へ。
込んでいるのに驚く。


火葬窯の前で最後のお別れ。
ここの火葬係の方は若い。
御苦労さま..。



3階の待合室で待つ。
「お飲み物は何にしましょうか?」と言われたので「ビールで」と答えた。
今日の帰りの運転はママだ。


乾いたつまみを食べながらビールを飲んでいたらお坊さん(導師)が「待ち時間を利用して30分ほどお話を」と立ち上がる。
初七日、四十九日についての説明を始めた。


「故人は亡くなったあと7日ごとに生前のお裁きを受ける、初七日は三途の川のほとりにいて最初のお裁き。
この後いいお裁きをしていただくために初七日の法要を行います。


故人は11月1日に亡くなったので今日は8日目になるが昨夜の通夜に三途の川の前で待っていてくださいと頼んであります」


火葬が終わりましたとの合図。
若くて体の大きかった故人。
しっかりしたお骨が多い。
火葬係が「大きめの骨壷にしたんですが..」と言うが収めるのに時間がかかった。
長い箸で壺の中の骨をかき回しながらやっていた。


これを見て今から14年前に亡くなった父を思い出した。
父もお骨が多くて骨壷に収めるのに大変だった。
しゃれこうべの歯がしっかりと残っていたのだ。
父じゃなければ恐い。




またマイクロバスで葬斎場にもどる。
入り口に「踏塩」があった。
これは初体験。
これならお清めの塩を服に振りかける必要はない。
これもアイディア。


初七日の法要が終わると精進落とし。




家に帰ったのは5時。
真っ暗だ。
すぐにムックの散歩。
ご近所のKさんちで外装工事。
この暗闇で足場を組んでいた。



夕食はゆっくり。
だって精進落としを食べたのが3時過ぎ。
ママに頼んでキノコうどんを作ってもらった。


娘からメール。
タイにいる婿殿の写真を転送。
水はまだ彼が勤める会社まで来ていないがバンコクのちょっと北をトラックで視察したらすでに道路は冠水。


その他に被災者に物資を渡している婿殿の写真があった。
「頼もしい!」とママが言う。