冷たい熱帯魚



昨夜から雪がしっかりと降った。
それでもまいったと言うほどは積もらなかった。
しかし、散歩に出るムックは最初の一歩が踏み出せず「まいったなあ」とぼやく。
その最初の足跡がこれ。
杖をトントンとついたくらいの大きさ。


轍(ワダチ)の跡にオシッコ。
「おいおいこんなところを撮るなよ!」と怒っている。


陸橋の上にのぼる。
今日の富士山もうっすらと輪郭が見えない。
しかし、武蔵野線の雪景色は素晴らしい。

武蔵野線、ちょっと遅れているらしい。


南の空、はるか遠くにスカイツリーが見える。

陸橋の道路を通る車が渋滞している、
珍しい。
これも雪の影響か。


ママとお出かけ。
曙橋の娘のところである。
さすがに今日は電車(雪だから)。
だからムックはお留守番。


電車に乗ってデジカメを忘れたのに気がついた。
だからこれ以下の写真は携帯である。


富蔵くん、お久しぶり。
恥ずかしがって娘の肩にすがりついている。
まるで子供である。

娘と富蔵くんの顔を見て私は新宿3丁目へ。
娘に教えてもらった情報で映画を観に行くのだ。


お目当ての映画は「冷たい熱帯魚」。
園子温監督の話題作で去年のヴェネチア国際映画祭に出品されている。
何故この映画を観たいかと言うと数年前に衝撃を受けたセミドキュメント小説「愛犬家連続殺人事件」を題材にした映画だからだ。


過去こんなに戦慄を覚えた小説はない。
すでに映画を観ている娘から「食事は映画の前にしたほうがいいよ」と言われた。
つまり凄惨な映像を観たあとじゃ食べ物も口に通らないと言うことだ。


まずテアトル新宿に行って指定席をリザーブ
見易いG−07にした。
そのあと靖国通り四川料理店に入る。
地下の店だが結構繁盛している。


かなりの客が入っていたが一番奥の8人テーブルの端っこに座る。
注文したのはマーボー豆腐ランチと生ビール。
私が入ったのが12時半。
25分してやっとマーボー豆腐ランチがお出まし。

おお、旨いじゃないか。


白衣の天使が5人入って来た。
私のテーブルをちらっと見たが、「ちょっと狭いわね」と言いながら6人がけの丸テーブルに座る。
そのうち3人が煙草を吸いだした。
看護師という仕事はストレスがたまるだろうなあ。


開場の10分前に行くがロビーをみて驚いた。
客がいっぱいである。
だって今日は平日だよ。


いやあ、映像にすると凄まじい。
よく映画にしたもんだ。
2週間前の週刊文春の映画批評では、オスギさんともう一人が「冷たい熱帯魚」はお勧めできないとコメント。
つまりエログロの極めと言うことだ。
それにR-18指定作品。


しかし私は平気で最後まで正視していた。
夕食にも影響なし。
多分残酷な血が流れているのかも。


この映画の最大の見どころは怪優でんでんである。
迫力のあるすばらしい演技!
この映画は彼の代表作になるだろう。


彼の演じた村田の行動に、凍るような場面でも場内に小さな笑い声(私も笑った)。


それは水道橋博士にして「でんでんは復讐するは我にありの緒方拳を超えている」と最大級の評価をしている。
ただし実際あった犯罪は犬のブリーダー、映画は熱帯魚店を舞台にしており、かつ後半だいぶ小説とは違っている。
私としては小説通りのほうが良かった...。
でんでんが扮した実在の主犯関根元は平成21年の6月に死刑判決が確定している。


映画が終わったのが4時過ぎ。
会場のドアを開けると4時半からの上映をまつ人がロビーにあふれていた。
そして階段をのぼり外に出るとポスターを食い入るように読んでいる人が5,6人。

この人気はなんだろう?


今晩の夕食は刺身とサラダ、そしてラスクにしたフランスパン。
旨い旨い。
映画のことはもう忘れている。