焼きとん屋で煮込み



夫婦にとっては赤ちゃんのようなムック。
隣の豹がらのネックウオーマーがママです。(見えない)


職場のビル下にある自動販売機でレモンの香りがする水「Miu」を買う。
すると「いってらっしゃい!お釣りを忘れないように..」と優しい女性の声。
自販機からの声。
自動販売機にぬくもりが感じられる。
これが日本の心。


ブラインドから富士山を見る。
いつものことだ。
今日もスッキリ富士山、それも朝のうちだけ..。


この職場でアルバイトをやって今日で15日目。
昼食は「刀削麺酒家」に行く。
現役の時はよく行ったもんだ。
12時5分過ぎに店に入ったが1階は満席。
そこで2階にあがる。


食べるのは当然タンタンメン。

やっぱり旨くて..辛い。
思わず咳き込んだ。
年をとるとすぐにむせるのだ。


ちょっと恥ずかしい。
咳き込んだ理由がはっきりしているからだ。
つまり辛さに負けて喉が慌てた老人というわけ。
我慢すると余計にひどくなる。



日が徐々に長くなった。
南浦和のホームに立つ。
5時18分発の列車が来た。
一週間前、この時間の空は暗かった。


地元駅に降りると居酒屋「U蔵」に行く。
しかし休みだった。
確か休みは月曜日のはず。


しょうがない近くにある焼きとん屋「T田屋」に行く。
ここはまさにB級グルメの店。
顔が優しいマスターの腕が毛むくじゃら。


今日は何故か瓶ビールが恋しくなりアサヒスーパードライを注文。
瓶ビールの良さは飲むだけゆっくりとコップに注げる。
あとどのくらい残っているのか見えないのもいい。


まず最初に頼んだのが煮込み。

唐辛子をタップリふりかける。
昼にタンタンメンで咳き込んだのを忘れたの?


ここの煮込みは懐かしい新橋の味に似ている。
あの頃はよく新橋の「加賀屋」で飲んだものだ。
今はもう閉めている。
焼き場を担当したあの生きのいいオニイサンはどこで焼いているんだろうか。


次に頼んだのはポテトサラダと黒ホッピー。
カウンター隣の席にコートを置いて飲み始めた。

黒いかき回し棒(マドラー)はホッピーのビンに入れるのが通である。
ポテサラはジャガイモの原形が分からないくらい練って味付けがしてある。
ピリッとしたコショウとマヨネーズ味だ。

まさにB級の味。


6時近くになるとどんどん込みだした。


しようがないコートをカウンター下に入れて隣の椅子を空けた。
すぐに客が座る。
隣に座った男性、注文したものが来るたびに「アリガトー」と高い声。
アリスの堀内孝雄みたいだ。


私は込むのは大歓迎。
人間ウオッチングが出来る。
カウンターは一人で来る常連客でいっぱい。
座敷には近所の職場仲間が集まっている。


女性従業員は私と顔なじみ。
年の頃、30代後半だろう。
でも見た目はまだ子供。


だって身長は140センチも行かない小学3年生並。
シャツを肩まで腕まくりしてをして元気がいい。
通称、コジロウである。
近所のラーメン屋で会ったことがあるのだ。
その時は自分より背の高い実の子供と一緒だった。



帰りにロッテリアに寄った。
そしててりやきバーガーとチーズバーガーを買ってしまった。
酔うと変身してお土産マンになるのだ。