雲海をみる


やっぱり眠れない。
4時になるとラジオ深夜便を聞く。
そのうち空も白んできた。


E藤さんが私のほうにやってきた。
寝ぼけて私の布団の中に入って来るんじゃないかと恐れたが、目的は自分のリュックだった。
リュックから水のボトルを出して旨そうにグビグビ飲んでいた。つまり酔いざめの水。


朝日が出てきた。
くろがね小屋から見る朝焼け。


朝食はインスタントカップめん。
小屋のマスターが仲良くなったケントくんに「蜻蛉が飛び出したぞ」と教えている。


おお、朝日に輝くアカトンボの羽。
写真で見えるかな?


朝日で温かくなった山裾を舞うアカトンボ。実にいい。


出発前に小屋のぼっとんトイレに入る。
強烈なアンモニアの匂い。
でも昔はこれが普通だった。
だからトイレは臭いところ怖いところというイメージになった。


小屋の前で9人の記念写真。
マスターがそれぞれのカメラを使ってシャッターを押してくれた。


今日は比較的楽な下りである。
嬉しい!


しばらく歩いて後ろを見ると青空をバックに「くろがね小屋」が見える。
さらばじゃ。

道沿いの草むらに青大将の抜け殻があった。
つまり脱皮した皮である。
蛇の皮を財布に入れると縁起がいいそうですよ、と話すとK井さんが10センチほどちぎった。


勢至平から見る安達太良山の景色が抜群だった。
こんなとんがった山だと思わなかった。


はるか向こうに雲海が見える。
雲海と言っても焼酎じゃない。
こんないい天気なのに下界は曇り空?
山の黒い影がまるで島のように見える。


細い道を前から軽の四輪駆動車がやって来る。
工事の鉄パイプを運んでいるのだ。


車体にくろがね小屋専用とあった。


谷川でタオルを濡らして首に当てる。
これが気持ちい!
その前を上半身裸の行者が通る。
長い杖だ。


ゴンドラがある奥岳に着いたのは予定通り9時半。
日曜とあって子供づれが多い。
捕虫網を振り回している親子づれ。


すっかりトンボとり名人になったケントくん、手でトンボを2匹も捕まえる。



郡山駅のレストラン街で昼食を食べる。
郡山始発の新幹線「なすの」の発車時間に合わせて蕎麦にした。


9人全員がざるそば。
そして8人がテーブルの上に立て札のある地ビール
ケントくんは飲めない。

ざるそばが750円、地ビールが500円でそれぞれ1、250円を集金名人のE藤さんに渡す。


まとめたE藤さんがレジのお嬢さんと大笑いしていた。
どんな話をしているの?
後で聞いたら我々が飲んだのは地ビールじゃなくて480円の普通のビールだった。

集金名人がそれぞれに20円の返金。


新幹線に乗るとまた缶ビールを飲む。


いやあ、早く帰って来た。
2時である。
カンカン照りでとっても蒸し暑い。
これと比べると山は涼しかった。


昼寝をして夕方ムックの散歩。
ムックが私の留守中にサマーカットしていた。
またウナギ犬に変身だ。