くろがね小屋で虹を見た。


ママとムックに車で見送られて南越谷駅まで。
大宮駅から東北新幹線に乗る。



これがつばさ175号。
同じ車両にやまびこ175号が連結している。
そこに今日のメンバーが乗っているはず。


席に座るとリポビタンDを飲みながらスポーツ紙を読む。
おお、巨人は勝ったぞ。


郡山駅に着くと大人8人子供1人の今日の参加者が顔をそろえた。
ここから東北本線で二本松まで行く。


二本松駅でジャンボタクシーを待っている間、駅の看板を見ていら今日登る安達太良山の横に和尚山(オショウサン)があった。


オショウサンは私のペンネームだ!


タクシーで奥岳まで行く。
他のメンバーはここから薬師岳まで登る。
疲れたくない私はゴンドラに乗る。


いってらっしゃい、頂上で待ってます!


これは当初からの予定通り。
6年生のケントくんが恨めしそうな顔で見ていた。
私はほんとうにずるい。


ゴンドラはどんどん発車している。
まずソフトクリームを食べながらベンチに座る。
ハルゼミが心地よいリズムで鳴いている。


6人乗りのゴンドラは私一人を乗せて出発。
空には入道雲

薬師岳展望台に着くとアカトンボが舞っていた。
それにしてもモクモクと湧きあがる雲は力強い。


頂上では福島ラジオがよく聞こえる。
ラジオでは関東地方の梅雨明け宣言をしていた。


鐘の向こうに見えるポコッと飛び出たところが安達太良山の頂上である。

写生道具を抱えた10名くらいの一団がやって来た。
そして安達太良山に向かって筆を動かす。


するとゴンドラ会社の人が走って来て「雷が鳴り出したのでゴンドラを一時止めますので早めにお帰りください」と言う。


青空だが、確かにゴロゴロ音がする。


「下から登って来る仲間を待っているんですが安達太良山、大丈夫ですか?」と聞いたら「なんとも言えません」と自己責任を言い渡された。


徒歩組が薬師岳展望台に着いたのが50分後。
みなさん相当へばっていた。
I沢さんは「ゴンドラが正解だよ」と言う。


しかし今回は小学生がいるので恥ずかしい思いもしている。


昼食で私が持ってきたトレイルケトルがデビューした。
オニギリと味噌汁。


背丈ほどの灌木の中を頂上に向かって登る。
いやあ、暑い。


頂上に近くなると黒い雲が出てきた。


この上に岩がありそこが本当の頂上だが、周囲は霧が出て見えない。
鎖がある手前まで登ったが私は諦めた。
めまいがしたらお陀仏になる。


がれ場の下りを「くろがね小屋」に向けて歩く。
とうとう雨が降って来た。
全員カッパを着こむ。
いや、ベテランO川さんだけは折り畳み傘だった。


このくだりがけっこう長い。
眼下の谷に「くろがね小屋」を見た時は、感激した。


小屋の入口に水桶があり缶ビールや飲みものがプカプカ浮いている。
山小屋に着いたら..とビールを想いうかべていた。

ケントくんが真っ先に樽に浮いているビールを握った。
冷たい感触を確かめたのだ。
すると小屋のマスターが「この子、ビールを飲む気だぞ!」と驚く。


荷物を置くとさっそく乾杯!


山小屋は炊事場が工事中で客が自炊。
まずはバーナーでお湯を沸かす。

夕食が終ると「虹だ!」と言う声。
雨があがって東の空に虹が出た。


小屋のマスターもあんまり見たことがないという虹。
ありがたくずーっと見てた。
おや、虹が伸び出して半円を描いている。



ケントくんは頭の後ろで髪を束ねた小屋のマスターにヨーヨーを教えてもらっていた。
他の客にもすっかりなじんでいる。
子供は順応性が早い。


ここの温泉が素晴らしい。
白濁した温泉に足をのばし窓から外の景色を眺める。
幸せ幸せ。


みんな、結構飲んだ。
酔っ払って人より早く寝ちまおう、という魂胆なのか。9時に消灯である。