ハーブの水やりで市ヶ谷まで

「クチナシに虫がいるみたいだから見て」と言われる。
ママはイモムシ系が特に弱いのだ。

おお、クチナシが咲いている。
今年の第一号。


下に黒いフンが落ちてる。
探すとイモムシちゃんを一匹発見した。
これはオオスカシバの幼虫だ。
割りばしで挟んで取り除く。

今日の富蔵くんも元気。
手でつかむと後ろ脚で蹴られる。

娘がタイに出かけて１週間が過ぎた。
マンションの様子を見に行こう。
つまり植物（ハーブなど）の水やりと部屋の空気の入れ替えだ。

面白いプランを立てた。
一泊で、自転車を使って行こう！
と言ってもこちっからではなく、浅草からだ。

そこで地図を印刷してつなぎ合わす。
こういった作業は好きである。


向こうにムックの寂しそうな顔がある。

まず東武伊勢崎線で浅草に出る。
ここでレンタル自転車の利用。
一日２００円である。


私の自転車は１１７号。
いいな。

まずは浅草で腹ごしらえ。
入ったのはいつもの「ニュー浅草」。
社長みずからオーダーを取りに来た。

注文したのは、お勧め定食の海鮮丼。

はす向かいに外人のカップルがいる。
１０代だろうか、細い顔だちが似ている。
もしかしたら兄妹かも知れない。

目立ったのは兄の首の後ろ、つまりうなじである。
「蜻蛉」という入れ墨。
白い肌にくっきり。
彼は日本びいき？

食後、自転車は上野方面へ。
途中の下谷神社に寄る。
緑の輪がある。
これを「茅の輪」というそうだ。


この輪の中を３回ぐるぐる回って厄払い？

秋葉原を過ぎて靖国通りを右折。
九段下の坂を上ると靖国神社の鳥居が見える。

靖国神社からは楽な下り坂。
そのまま水上の駅のような市ヶ谷。

予定通りの時間で（ブラブラしたが）マンションに到着。
まず南北の窓を開けて空気を入れる。

ベランダにあるハーブは無事だった。
部屋の観葉植物とともにたっぷりと水やる。

そしてまた自転車で新宿までブラブラと徘徊。
新宿御苑では蛍の光が流れていた、もう閉苑時間のようだ。

アルタ前には幸福実現党の広報車が出ている。
車の上にいるのは学生のような若い人。
オウム真理教を思い出してしまった。

歌舞伎町へと道路をわたる。
ちゃんと横断幕に「ここから先は歌舞伎町」とある。
角の果物屋にたくさんのドリアンが並べてあった。


イケイケギャルがドリアンを囲んだ。
「どう、臭い？」と匂いを嗅いでいる。

「私これ面白いから買っちゃう！」と財布を出した。
１個５，０００円なり。
これを持っていけば確かに話題になるだろう。

新大久保の韓国街をキョロキョロしながらスルー。
戻ると汗びっちょり。

マンション裏の公園で涼む。

そこにホームレスのオジサンがいた。
手鏡を見ながら髭をあたっていた。
目が合ったので軽く会釈。

「蚊がいて大変でしょ」と話しかけた。
「外は蚊もアリも嫌だね。だから今は違う建物で寝ているんだよ」と話し出した。
孤独だから会話に飢えている？

ホームレス歴は１０年、年齢は６６歳、生活資金は本を売った稼ぎ。
「駅の周辺にある安売り週刊誌？」と聞くと「自分はそれじゃなく、家庭から出る古本や料理本など」と言う。

「中には一冊２千円で引き取ってくれるものもあった」と自慢した。
「じゃあ、今日は私が千円カンパしましょう」と手渡した。
こんな行為はアンタの自己満足と批判されるかも知れないが．．。

このオジサンとは２時間後に荒木町でもばったり会った。
シャツも着替えてキャリーカートを引っ張っていた。
そして私には気がつかない。
そんなもんだ。

今夜入った店は博多料理の「二○家」（にわけ）。
入った理由は、インターネットを見たら私の好きな餃子をメインメニューに掲げていたからだ。

モダンな店構え。
カウンターには陶器のカケラが埋め込んである。
陶器は有田焼、伊万里焼。


先客の初老夫婦がいた。
奥さんが主に店長と話をしている。
荒木町周辺についてアド街ック天国でやったらしい。

鉄鍋餃子を注文。
一口餃子が２１個も出てきた。
これには驚き。
こりゃ３人前だろ。


普通、ちょっと多いですが、お一人で食べられますかと教えてくれるだろ。

何とか食べたがもうお腹はいっぱい。
でも次に博多の定番と言われている酢モツをたのむ。
豚の胃袋とか。

瓶ビールを２本飲んで１時間で店を出た。
次はスナックでも入ろうか、とブラブラ。
階段をあがってドアを開けたらがらんとしたフロア。

こりゃだめだ。
一人で入ったらボラれそう。
やめて階段を降りたらママらしき人が「どうぞ！」と大きな声。
「また」と振り返らず手をあげた。

いったんマンションに戻る。
今日はここに泊る予定だ。

シャワーに入ってまた外に出た。
気になるラーメン店があったからだ。
店の上には煌々としたエリマキトカゲのネオン。

この店に入る。
入口で食券を買う。
お腹は空いていないので一番シンプルなラーメン。
それと小缶ビール。
出てくるのが早い！


麺が細くてインスタントラーメンみたいだ。
残念ながら私の舌には合わなかった。
珍しく半分も残してしまった。

マンションに帰ると冷蔵庫から缶ビールを出してＴＶで南アフリカとフランス戦を観る。
まるで旅行の気分である。