湯たんぽワンコ
「ももや」に行くと女将が遠くから「何にしますか?」と聞く。
さて、何にしようか、と2秒くらい迷ったが結局「タヌキそば!」とこたえた。
隣のテーブルでは若い男性が「鳥せいろ!」と注文していた。
他人が注文したものだが、どんなものが出てくるか楽しみにしていた。
出てきた、盛りそばに鳥肉が入った温かいタレだった。
タヌキそばが580円で鳥せいろが680円。
負けた。
昼食後は目の前にある本屋へ。
平積みされている文庫本から手に取ったのは「片眼の猿」という妙な題。
評判のミステリーらしい。
じゃあ騙されてみようか。
仕事場に戻ると、S村さんがお土産で持ってきた「くりんこ」をいただく。
このお菓子は、本当はよそに持っていくはずだったものらしい。
正直に話すのがS村さんらしい。
今日は家に直帰。
休肝日にしようと思っていた。
しかし、今日の夕食はうな丼とサラダ。
無理に休肝日にする必要はない。
缶ビールをプシュッと開けた。
テーブルの下ではじっとムックが見ている。
写真がボケている。
台所に可愛いワンコの縫いぐるみがある。
これ何?とママに聞いた。
「それは湯たんぽよ」
「えっ?」
裏側はこうなっていた。
なーるほど。
この湯たんぽワンコ、絵手紙の友達に頂いたそうだ。
ムックよりやや小さめだ。
私の湯たんぽワンコはムック。
毎晩私の寝床に入ってきて、体が温かくなると出ていく。