あるタクシー運転手
朝、駐輪場に自転車を預ける。
私の場合は月15日勤務だから駐輪場も月契約しない。
でもほとんど預かる位置は同じだった。
しかし、ここ1、2ヵ月場所が変わってきた。
つまり一時預かりの自転車が減ってきた、というわけだ。
1日150円がもったないと歩く人が増えたのだろう。
不景気の風がこんなところまで。
昼、ボスと「ももや」へ。
今日は盛り蕎麦にした。
ボスは黙っていても大盛り蕎麦が出てくる。
すぐ後から同じ職場の仲間が2人やって来た。
彼女らは温かい「ときたま蕎麦」をたのんでいた。
昼食後、ボスと別れて銀行へ行く。
ここで資金をおろしてコンビニで国民健康保険の払込。
普通、同じ銀行で払い込みをやるだろう。
しかし、私はコンビニのほうがいい。
銀行は順番カードを持ってソファで待つことになる。
それだけ手間がかかる。
ローソンは実にコンビニエンス(便利)。
今日も夕日が赤い。
この場面を見ると「高校三年生」の歌を思い出す。
「赤い夕陽が校舎を染めて、ニレの木陰に沈むころ〜」。
明日は休み、軽いペタルを踏んで「家族公認の店」Mに行く。
カウンターはほぼ満席。
テーブル席に座る。
そこには居酒屋Dのママがいた。
居酒屋Dは今日はお休み。
ママのところは昨年コッカースパニエルを飼った。
もう7ヵ月で10キロはあると言う。
ムックの3倍以上。
可愛いワンコの話題。
するとDのマスターが遅れてやってきた。
巨漢ですごい迫力。
このDマスターが動物大好き人間。
タクシーの運転手が本業。
夜勤を終えて朝帰るとまず水槽の金魚に餌をあげる、そして外に出て雀たちにピーナツを撒くのがいつもの行動。
10羽くらいの雀が屋根の上でマスターの出現を待っている。
お通しを食べるとMのマスター(マスターが2人いるからややっこしい)が「今日はいいのが入っていますよ!」と言う。
そう焼きとんのカシラ。
これが大好きである。
神田すみれさんがやって来た。
この時間に会えるなんて珍しい。
後ろ姿がすみれさん。
豪快なタクシー運転手Dマスの楽しい話はまだ続く。
≪昨日、若い酔っ払い男を乗せた。
「道順を説明して弥十郎まで行ってくれ」と言ったきり寝たらしい。
言われた通り走って着いたが本人が熟睡。
いくら声をかけても起きない。
タクシーは客の体を触って起こしてはいけないらしい。
15分くらい大声で呼んだが駄目。
会社に電話して車の位置を教えてもらい交番まで行こうとしたが、クーラーを吹き付けてもう一度大声で呼んだらやっと目を覚ましたそうだ。
その若い男、びっくりしたらしい。
眼の前に、この顔をした大男がいたら誰でももう一度寝たくなる。
追い討ちをかけるように、「本当なら超過料金をもらうところだぞ、この馬鹿野郎!」と怒鳴ったらしい。
正規の料金を払って飛んで行ったそうだ。≫
この運転手ならタクシー強盗が逃げるだろう、と思った。
居酒屋Dの夫婦は1時間半いたが「檀家回りをしないと」と言いながら出て行った。
檀家回りとはお得意様まわり。
居酒屋を出ると、バリエに行く。
そして不二家でケーキを買って帰った。