土用丑の日
朝から気温が高い、もう27度ある。
ムックの散歩で外に出る。
曇り空で細かい水滴が顔に当たる。
しかし、地面は濡れていない。
ラジオによると湿度90%。
用水脇の公園を歩く。
アオイの前でムックをデジカメ。
薄暗いのでフラッシュが光る。
それがこの写真。
ママはバレーボールにお出かけ。
今日の昼は、バレー仲間と蒲焼を食べると言う。
今日は土用の丑の日。
午前中、DVDを見る。
題名は「マッチポイント」で英国映画。
11時半に銀座方面に出かける。
暑い!
銀座4丁目のソニービル前に巨大な水槽が出現。
その中で沖縄のちゅら海にいる魚が悠々と泳いでいた。
銀座松屋に行く。
今日のお目当ての一つは「鉄道模型ショウ」である。
松屋8階の催場にはもう沢山の鉄ちゃんたちが集まっていた。
でも平日とあって母親に連れられた子どもが多い。
これがきっかけで鉄道フアンになる子もいるだろう。
松屋を出ると有楽町駅の向こうへと移動する。
宝塚劇場のそばにあるシャンテ・シネの前でゴジラと遭遇。
円谷プロの傑作はここで吠えていた。
丸の内警察の前を通る。
入り口に立っている若い警官は、暑くて帽子を被っていない。
カメラをかまえたらギョロリと睨まれた。
その隣にある帝国劇場の地下にもぐる。
今日のもう一つのお目当てはうなぎの「きくかわ」。
ママがバレーボールの後に食べているやつを私も食べるのだ。
うな重にもイロハのランクがある。
一番安い「イ」2,830円を注文。
そしてビール。
今日はいつもに増して込んでいる。
いつもは食べない高価なうな重、今日くらいは食べてもいい、という理由。
大半の客は観劇を終えた品のいい奥様方や夫婦。
運ばれてきたうな重に見慣れないものがついている。
梅干?いやうなぎと梅干は食べ合わせが悪いはず。
「これなんですか?」と仲居さんに聞く。
「凍らしたライチです、脂っこいうなぎの後、口の中がさっぱりしますよ」
ライチはタイみやげで貰ったことがあった。
一番奥のテーブルに中年夫婦がいた。
後から来た3人連れの奥様達がその隣に座る。
すると夫婦のご主人がノートに何か書いて見せた。
それを声を出して読む隣の女性。
「この店の主人がみのもんたの番組に出ていたから食べにきました、美味しいですよ」。
中年夫婦は聾唖者だった。
健常者とノートで筆談。
「あら、情報ありがとうございます。」とご婦人3人組。
中瓶のビールをちびりちびり飲んでいた私の前に紳士が座る。
「うな重のハを..」と注文。
「ハ」は4,400円である。
イとハの違いは何だろう?
食後またブラブラと数寄屋橋方面に行く。
宝くじ売り場の数寄屋橋チャンスセンターでは長蛇の列。
ここで億万長者が沢山出ている。
沢山売れれば当たりが多いのは当然だが..。
交番の後ろのベンチに座る。
すると隣のオジチャンと目が合った。
「暑いですね」と声を掛けてきた。
黒い半そでに半ズボン、赤い革靴を履いている。
小分けにした荷物が3つ。
「私はホームレスですよ」と人懐っこい笑顔。
「夏もいいけど、ほら蚊に刺されて大変ですよ、」と赤くなった腕と足を見せる。
名古屋出身で20年間ホームレスをやっている、銀座に来たのは2年前、ここには50人くらいいるが仲間意識はない、と話し出した。
私は「夏は食中毒に気をつけて」と話をつなぐ。
「そうなんですよ、最近のレストランは、残飯を食い散らかされないようにパックするんですよ、ここ2日間水だけ。」
私がポケットに手を入れて小銭を出し「これで缶ビールでも飲んでよ」と差し出す。
オジサン「いや、いいですよ」と遠慮。
「私に会ったのも縁ですから」と手を開いたら520円だった。
「すみません」とその小銭を握ったオジサン。
ここまでの流れ、オジサンの仕掛けでもいい。
オジサンは65歳、名古屋には90を過ぎた母親がいるそうだ。
私がいい人に見えたから話しかけた?
瞬間、自己満足に浸る私。