ほおずき市
まず朝採りのゴーヤ、ミニトマト、大葉を見てほしい。
すべてママの力作である。
私は何もしていない。
「美味しいなあ」と食べる役目。
ママはバレーボールへ出かけた。
私は休み。
昨日からほおずき市が始まっている。
浅草へ出る。
浅草寺は、平日だがすごい人出。
中国、韓国からの観光客と、日本のシルバーさん達。
私もそうだが..。
今日はほおずき市だが「四万六千日」でもある。
今日お参りすれば四万六千日分の御利益がある、らしい。
どこのほおずきも一鉢2,500円。
それなら可愛い娘のところで買ったほうがいい。
こういう男客、多いだろうなあ。
真っ赤なほおずきもバラで売っていた。
これが1本1,500円?
仲見世の裏を通ると人力車が来た。
外人の観光客である。
いつも行く酒場の自動ドアを開けた。
天井から大提灯がぶら下がっている店だ。
真っ黒にゴルフ焼けした社長が注文をとりにきた。
そこで「この前、蒲生でお見かけしましたよ」と話かけた。
「うん、あそこの公園がウチなんだ。」
なるほど..。
瓶ビールを飲みながら「クライマーズ・ハイ」の最終部分を読む。
この喧噪の中で読むのがいい。
ビールが回ってきた。
物語の中に埋没して涙が出てきた。
酔うと涙もろくなる。
向こうのテーブルで老人が大声で激論。
ほおずきにぶら下がっている風鈴の話。
葛飾区のある地区で作っていると主張している黒メガネ。
いや、ほおずきの場合は違うと言う他の2人。
どうでもいいじゃん。
話題が変わって浅草松屋にあったキャバレーになった。
この黒メガネはその時代からダンスを踊りに来ていたそうだ。
とすると70歳を超えている。
その頃、私の3兄がここでエレベーターボーイをやっていた。
肩にバッテンでカバンを掛けて手にはほおずきをぶらぶら。
新仲見世を歩く。
おや、「とらんくすや」があった。
男性のトランクス専門店。飾ってあるやつ1,050円だった。