林住期

osyousan2007-07-10





昼は「ももちゃん」に行く。
ウナギの老舗「山崎屋」の隣り。
まるで「山崎屋」の駐車場の中にあるような蕎麦屋


ここに来るとタヌキ蕎麦。
この時期は冷やしタヌキのほうが多く出るらしい。
「タヌキ蕎麦、おねがい」と言うと「温かいのでいいですか」と聞く。
「ハイ」。
蕎麦がいいが、ツユの味、私的言えばもうちょっと甘口のほうが..、まあ、いいだろう。


ここの奥さんはかなりキツイ。
愛想笑いは一切なし。
よく調理場のオヤジさんと口喧嘩をしている。


今日のお手伝いは度の強いメガネをかけたお婆ちゃん。
推定年齢は70歳半ば。
注文した料理をお盆で運んでくるが落とさないか心配だ。


昼食後、目の前の大型本屋、須原屋に入る。
当店のベストセラー第2位か3位の「林住期」に目が止まった。
五木寛之の本である。


インドでは人生を4つのブロックで分けて、こう呼んでいる
「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」と。
「林住期」とは社会人としての努めを終えたあとの、
全ての人が迎える、もっとも輝かしい第三の人生のことである。


いやあ、この出だしの言葉で買ってしまった。
今や「団塊の世代」が世の中に溢れている。
この言葉に共感する人沢山いて、きっと買う。
上手い売り方である。


その次にあるこの言葉にもまいった。
「暮らしのためではなく働くこと」
つまりお金のためじゃなく好きなことをやる。



地元の居酒屋「U蔵」のカウンターでこの本を開いた。
ここは人気店だから込んでいて騒がしい。
でも逆に孤独になれる。


後ろの座敷に見た顔があった。
左官屋の棟梁H社長である。
今は現役を退いて定年ブラブラ爺さん。
知らない女性と飲んでいた。


とりあえず知らん顔した。
何時ものコース、アボカトサラダ、鯵のタタキ、磯辺揚げを食べる。
最初つぶ貝の刺身を注文したが、売り切れだった。


私の右隣のオジサンが、日本酒を飲み干した後に「しょ、焼酎..」と叫ぶ。
若いママが、「ハイ、焼酎ロックでお出ししましょうか」と言うと
「ロック?うーん、オレ腹が悪いから、温かいヤツがいいな。腹が悪けりゃ飲まないほうがいい、と言われちゃうなあ」とゲタゲタ笑う。


左にいた女性二人組が「クスクス」。
このオジサン、私が来る前から飲んでいるからロレツが回らない。


生ビール2杯の後、ウーロン茶。
そして座敷のH社長に「○○(私の名前)です、どうもお久しぶりです」と挨拶。
H社長はテーブルに置いてあるメガネをかけて私を見た。
「おお、おお、どうも」


ビルバリエに寄って牛乳を買う。
八百屋に黒い大きなスイカがあった。
ダイナマイト(写真)。
4,800円なり。


実家で食べたことがあるぞ。


家に帰ると再発行を依頼した車検証がガソリンスタンドから届けられていた。
手数料はいらない、と言われたそうだ。
ありがたい、と言うより本当に私がなくしたのか?と思う。


ムックが熟睡(写真)。