麦わら帽子の爺さん
夜中にトイレに起きる。
トイレの中の時計を見たら3時40分。
遠くで雷が鳴っている。
布団の中でラジオ深夜便を聞く。
心の歌は作詞家宮川哲夫の懐かしい歌。
「湖愁」「美しい十代」「雨の中の二人」の名曲がある。
4時なると心の時代。
今日のお話は、泌尿器科の先生。
先生は多くの癌患者の臨終に立ち会っている。
先生は患者に「癌でよかったですね」と言うと聞いて驚いた。
理由は余命数ヵ月と宣告された患者は、その間に自分の人生の整理をつけられる。
家族、特に配偶者あてに感謝の言葉を伝えられる、と言う。
脳卒中や心臓麻痺では瞬間に死んでしまうし、助かっても植物人間になったり、
死ぬまで長期入院を余儀なくされる。
家族は看病疲れで共倒れしてしまうこともある。
なるほど。多くの実例を見ている医者だから言える。
明け方の町に、すごい雨が降ってきた。
NHKの放送中に臨時気象ニュースで流れたほど。
図書館が休みなので「デニーズ」で仕事関係の書類を読む。
「デニーズ」は広いので気兼ねなく長時間いられる。
1時間もいると昼食の客が入ってきた。
引き上げることにした。
入るときは気がつかなかったがドアに「親王殿下ご誕生おめでとうございます」という張り紙。
昼は、駅前のビル7階にある「R」に行く。
1時過ぎなのでもう空いているかなと入ったら女性客がまだ14,5名いた。
カラオケ舞台のすぐ横に座る。
お絞りとお冷を持ってきた女店員が「すっかり晴れてしまいましたね」という挨拶。
ほう、こんな言葉が出るとは驚き。
ここのマスターはよく知っている。
まさかママじゃないだろうな?
スパゲティの辛いヤツ、シチリアーノを注文。
この店は夜はナイトパブになる。
昼は大ママ(母親)がランチを作っている。
天井はステンドグラスで青空が見える(写真小)。
空を見ながら生ビール、気分がいい。
レジで勘定をした後、厨房に顔を出して大ママに
「スパゲッティ、アルデンテで美味しかったですよ」と声をかけた。
昼食の後、自転車で土手に出る。
流れが細くなった用水で釣りをやっている老人4人。
土手の淵に座って暫く眺める。
麦藁帽子を被った爺が、ダブルで小鮒を釣った。
そしてニヤッと笑いながら私を振り返る(写真)。
「入れ食いですよ、やりませんか、」と話しかけてきた。
「釣った魚はどうするんですか?」
「放してやります、昔は甘露煮にしたもんですが、もう家の水槽もいっぱいですよ。
孫を連れてきたいんですがね、遠くて」
麦わら爺さんに触発されて魚取りに行きたくなった。
家に帰りムックを連れて調整池に行く。
そこでエビと小さなハゼを捕る。
写真は池の淵を歩くムック。