短い雨宿り
出勤前に一仕事。
娘の部屋にある高さ50センチくらいのタンス。
処分を考えていたら、近所で貰い手があった。
そこで緩くなった接続部分をボンドで接着した。
壊して市役所所に持って行かれる運命だったのが、
またタンスとして使われる。
それもご主人様は若いお嬢さん。
タンス君、喜んでいるだろう。
今日は電話当番、そしてお茶片づけ当番。
だから昼食は1時からだ。
北前蕎麦の「高田屋」に行く。
ざる蕎麦を注文したら、店長が「せいろじゃなくていいですね、海苔が乗っているのでいいですか?」と聞く。
「せいろとざる蕎麦の差は海苔だけですか?じゃあ50円安いせいろにして」と注文を変えた。
麻雀では一晩で数万円負けるくせに妙にせこい。
ここの蕎麦はほんまに旨い。
本物のワサビがついているのだ(写真)。
お茶の片づけ当番で5時過ぎに湯沸かし場にいた。
我が職場では仕事に男女の差はない。
だから客が来ると当番の男性がお茶も出す。
出されたほうは迷惑?
洗った茶器を職場に持って帰ってきた。
そこで気がついた。
茶がらを入れる容器の蓋がない。
元々なかったのか?
また湯沸かし場に戻る。
そこには他の会社の女性がいた。
我が職場は共同ビルにある。
頭を掻きながら「茶がら入れの蓋なかったですか?
と聞いた。
「あら、今来たばかりですが、ないようですよ」と
美女が答える。
また戻る。
おかしいなあ?
もう美女はいないだろうと5分後にまた湯沸かし場に行く。
そしてゴミバケツの中を探した。
捨てられた枯れ花の間に蓋があった!
茶がらを捨てたときに一緒に蓋も捨てたのだ。
最近、捜し物が多い。
帰るときゴロゴロと空が鳴いている。そしてポツポツやってきた。
武蔵野線の南浦和ホームに立つと雨はかなり強く降り始めた。
地元駅に下りるとゴロゴロとまた鳴る。
傘はない。
駅裏にある大衆酒場「S」で、雨宿りをすることにした。
昔、夕立で電車が止まったことがある。
そこで町屋で途中下車して初めての割烹に入った。
そこで食べた初鰹が旨かった。
紫陽花の花が皿に添えてあった。
そんな食にからむ思い出。
B型は食べ物にうるさいのだ。
今度は「S」の話。
奥の座敷に5人がいたが、長いカウンターには4人しかいない。
ここは駅に近いので乗り換え客が多い。
時間が早いので客はこの程度。
年寄り客がオバチャンとの会話を楽しんでいる。
この店の人気オバチャンは60過ぎの
加藤治子タイプ。
自分の家庭のことを開けっぴろげに話している。
生ビールとしめ鯖を注文。
これがすっぱい、失敗した。
その後はコロッケ。
この時期、知らない店では生もの食べない。
食当たりに注意。
レモンサワーを飲んで外を見ると雨はあがっていた。
もうここには用はない。
お勘定をして外に出る。
まだ薄暮。
雲が切れてちょっと明るい空が見えた。(写真小)