鬼怒川温泉、帰り

osyousan2006-02-08



昨夜は、久しぶりの外泊。
ホテルの一室で5人の人と同じ部屋で寝た。
寝付きが悪く出遅れている間に、イビキの音に囲まれてしまった。
やっと寝たと思ったら早起き老人が5時に動き出す。
まあ、これが旅の思い出。


6時、温泉に入る。
こんな時間なのに浴場にはかなりの人。
老人はみな早起きだ。
下着は見えるところに脱ぐ。
昨夜、町会長が自分の脱いだ下着をそっくり盗まれた。
町会長はフリチンでフロントに電話した。
するとすぐにL判のパンツとシャツを持ってきたそうだ。
すぐに持ってきたと言うことは、この種の事件は結構あるのだろう。
ただ持ってきたパンツは若者向きのトランクス、シャツは半袖。
高齢の会長が身につけていたのはブリーフで長袖シャツ。
贅沢は言えないとそれを着た会長。
でも家に帰って奥さんに疑われないか?


生前、私の父親もやられたことがある。
実直な親父が下半身を押さえてフロントまで
訴えにいった。
その光景を想像すると滑稽だが悲しい。


汚い他人の下着を盗んでもなんのメリットもない。
だが浴衣のポケットなどに部屋の鍵があれば
その番号にいって盗みを出来る。


ここに脱衣籠がない。
脱いだ下着を狭い仕切の箱に置く。
その番号は99番だった。
ミスターの番号。
浴場を出るとセルフで冷たい番茶が飲める。
紙コップを持って「ふー、旨い」という客が沢山座っていた。


7時から朝食バイキング。
入り口からお盆を持ち大皿小皿をそこに乗せる。
そして野沢菜、ポテトサラダ、野菜サラダ、アスパラ、
ウインナ、ベーコン、湯豆腐、しらすおろし、ムロアジ
取り、後は従業員が乗せてくれたご飯と味噌汁。(写真)
旅の朝食はいつもビールを飲む。
バイキングでも手をあげて係員を呼び頼んだものだ。
だが、今回はそれをやめた。
この場所でビールを飲んでいる人は誰もいない。
私は新人である。


食事が終わったのが8時。
このホテルの出発は10時だからまだ2時間もある。
今回の年金受給者協会の旅行は、ホテルに泊まって温泉に入って宴会、
翌日はそのまま帰る、という実に単純なもの。
殆どの会員は毎日が日曜日の方々。
あくせくしない。


昨日のコーヒーラウンジにまた外人演奏家がいた。
今日は観客が沢山いる。
だから曲が終わると大きな拍手が湧く。
バイオリン演奏者のすぐ前に立って聞いているボケ老人もいた。


外に出ると青空をバックに山の稜線がくっきりと見える。(写真)
空気が冷たくて気持ちいい。


232名の団体が再び駅ホームに並ぶ。
盲人用の黄色い歩道が凍って歩きずらい。
すると誰かが「東横インだったらすぐに取り外すだろうなあ」と
ジョークを言った。笑ったが、それをやっちゃお終いだ。
これからの世の中は「弱者に住み易い社会、スローに生きよう」である。


帰りの電車も静かな席で缶ビールを飲んで眠りながらである。
我が駅に着いたのはまだ昼の1時前。
同じ部屋の先輩達からこれから飲みに行こうと誘われた。
この時間では1軒じゃすまない。
ムックの顔が目に浮かび、飲み会をお断りして家に帰る。