W先輩の告別式

osyousan2006-01-19



その後、W先輩の詳しい葬儀情報が入ってきた。
昨日が通夜だった。
現役じゃないとこれだけ情報が遅い。
それに個人情報問題がありなかなか広まらない。


そこで今日、急遽休みを取り告別式に参列。
葬儀の開始が8時半からとめちゃ早い。
黒のカシミヤコートを羽織り黒いマフラーをして
久しぶりの通勤電車に乗る。
ぎゅうぎゅうだった。
柏駅に着くと寒い北風が吹いている。


青空にピカッと光る旅客機が見える。
カメラを構えたときには通り過ぎた後(写真)。
でも雲の流れがよかったので添付。


セレモ柏に着くと受付の女性が
「お通夜は見えました?」と聞く、
「いいえ」と答えると「その紙に住所名前を
書いてお二階のホール受付に」と言われた。
記帳する場所が10箇所くらいあった。
記帳した紙を持って二階にあがる。
ここで初めて葬儀の受付がある。
香典を出すと会葬御礼引換券を渡された。


やっと麻雀のメンバー一人がいた。
その他は知らない顔ばかり。
平日の8時半だから参列者は少ない。
仕事を持っている人は通夜に参列しただろう。
でも先輩の同期が3人久しぶりの再会で談笑している。
「懐かしく 葬儀を忘れ 笑い顔」


正面に故人の遺影があった。
モーニング姿でネクタイを両手で直している姿。
それも斜になっている。
実にいい笑顔。
娘さんの結婚式でのスナップみたい。
家族が選んだのだろう。


正面に祭壇が見えるのに両脇にモニター画面がある。
映っているのは同じ場面。
何故だろう?
その訳がすぐ分かった。
最後に喪主の奥様が挨拶。
するとモニター画面に故人の生前の写真が
5,6枚映し出された。
娘さん夫婦との海外旅行、孫を抱いた写真など。
とても幸せそう。


私が死んだらうちのママがこうやって挨拶するのか、と思ったら涙がポロポロ流れた。


金ぴかの霊柩車を合掌して見送った。
セレモ柏を出ると看板に電話番号が書いてあった。
何と4が6個も続いている番号である。
一般では縁起が悪いと嫌われる番号。


東葛飾高校のところに八木重吉の詩碑がある。
「原っぱ  ずいぶん ひろい 原っぱだ 
いっぽんのみちを むしょうに あるいていくと
こころが うつくしくなって ひとりごとを
いうのが うれしくなる 」

実に正直でそのままの詩である。
この詩人は大正14年から東葛飾中学校で
英語の教師をやっていた。
29才で肺結核のため他界。


駅前のそごうデパートに入る。
最上階のレストランで故人を偲んでお清めのビールでも飲もうと思ったからだ。
エスカレーターで上ると各階で丁重なる挨拶を受ける。
そのつど私も会釈。
疲れるのだ。


11階まで上るとレストランの営業は11時からとの看板。まだ30分ある。
しょうがないのでデパートを出て電車に乗る。
今度は間違って快速電車に乗ってしまった。
同じ常磐線ホームだから間違える。


乗換駅を2つ越えて下りる。
そしてまた戻る。
この時間帯は電車の間隔があるので結構時間がかかる。
でもこの、のんびりした時間は嬉しい。
ここまで来たら死に急がないこと。
馬橋駅手前に「中古枕木あります」という看板。
鉄道用品(株)とあるからマニア向けだろう。


新松戸の駅前に24時間営業の「○源」があった。
この店はほうぼうにある。
ここに飛び込む。
店の中は個室形式だが一人の客となると
16人掛けの大部屋に案内された。
私は周囲が観察出来るからこのほうがいい。
堀炬燵なので座りやすいが足が冷える。
そこで座布団をひとつ炬燵の下に入れた。


応対のオネちゃんは30代後半。
ボインで出っ尻、反り返るように歩く。
まるで富永一朗の「チンコロねえちゃん」だ。
生ビール大ジョッキと薩摩揚げ、ほっけの開きを注文(写真小)。


注文した途端、昼のランチメニューが出てきた。
和食定食はマグロ刺身、ロースカツ、しらすおろし、コーヒー、
それで750円だった。
摘みはこれでよかった、残念。


12時近くになると昼食の客が入ってきた。
一人の客は私がいる大部屋に通される。
私の前に座ったのは大学生みたいだ。
中華定食を注文。
出てくる間は厚い漫画本を読んでいる。
風邪気味なのか鼻をすすりながら。


端っこに座ったのは60才半ばのジャンバー中年。
和食定食を頼んで、文庫本を読みながら待っていた。
私も今の職場を辞めたらこのオジサンのようになる。
3人目が部屋に入ってきた。
昼間から大ジョッキを飲んでいる私は居づらい雰囲気。
飲み干して席を立つ。


外に出ると大きなパン屋があった。
そこでカレーパンとドーナツパン2個を買う。
ドーナツパン1個はママの分。
家に戻ったのが1時過ぎ。


ムックが待っていると思って急いで帰った。
今日はママはバレーボールの日。
応接間のドアを開けて「帰ったよ!」と言ったら、
眠っていたと見え、
体を伸ばして大きな欠伸をしていた。
尾っぽを扇風機のように振って出迎えると思った。
期待はずれ。


カレーパンを食べながら炬燵で寝てしまった。
昼間のビールは効くなあ。