仕事納め、居酒屋で鍋

osyousan2005-12-28



朝、ムックと陸橋に上る。
ムックのリードを手すりに結び
背伸びして西のを見るとうっすらと
黒っぽい富士山が見えた。(写真大)
風が強い日にはもっとすっきりと見える。


4年前、ママはビーグル犬を連れてよくこの
陸橋に上った。そして富士山を眺めて「どうぞ、
娘が結婚できるように」と祈ったそうだ。

その娘も平成14年に結婚できた。
母親の祈りがマウントフジに通じた。


神社の空き地にお札を焼く場所が出来た。
晦日が近い。
私の出勤と一緒にママ、ムックが神社まで散歩。
昨年のお札をそこへ置いた。
私は今日が御用納めである。


遅番の昼は1時から。
大衆食堂「M」に行く。
看板にあるけんちん汁とカツフライを頼む。
すると「あら、すみません、丁度今終わりました」と
冷たい答え。
一旦座ったので出て行く訳にはいかない。
カレーうどんにした。


掛けうどんにちょびっとカレーのルーを乗せただけ。
安いカレーうどんは、これはこれでいい。
七味唐辛子を振り掛けてズルズルと食べた。


私は遅番なので納会には出席できない。
その替わりに寿司が配られた。
と言っても仕事中には食べられない。


パックに入った寿司は旨そう。
今日は納会の後、居酒屋に寄る予定なので
寿司はいらない。
だが帰りにママに届けることにした。
昔なら我が家のママじゃなくて飲み屋のママに
届けちゃう。年を取ると心は家庭に戻る。


最寄り駅のそばに消防自動車が3台、赤色ランプをぐるぐる
させて止まっていた。
女店主のような人が「すみませんでした」とペコペコしていた。
どうも火は出ていないようだ。
誤報かな?

信号で銀色の防火服を着たオジサンと会った。
すかさず「誤報ですか?」と聞いてみた。
「いやゴミ置き場から煙りです」と教えてくれた。
つまりゴミから煙りが出ていたので119番したらしい。


居酒屋「Tちゃん」に入る。
カウンターの一番奥に座っている黒い帽子を
被った老人はMちゃん。
私を見て「おや、髪の毛が少なくなったね」とのたまう。
隣りに座っていた50くらいの女性が
「それは悪いわよ」と私をかばう。
「Mちゃんお久しぶり、帽子を被ってきたから
髪がぺちゃんこになったんだよ」と弁解。
実際薄くなっているが..。


座敷には赤鬼のように酔った顔の
農協のAさんがいた。
Aさんは身長190はある大男。
そしていい男である。
Aちゃんとも会釈をかわす。


「マスター、寄せ鍋一人前でいい?」と許可をとる。
この寒さには鍋が一番。(写真小)
どんどんカラオケがつながっている。
私は適当に拍手。
取りあえずカラオケが終わったら拍手がマナー。


生ビールの後は、焼酎の梅干しお湯割り。
鍋がめちゃ旨い。
一気に食べてその後は玉子を落として雑炊。
入り口に座った70才の老人が「美しい十代」を歌う。
実に上手い。
すると左となりにいたKちゃんが「学園広場」を
歌い出した。
まさに私の時代である。
Kチャンの指の爪先には黒い油がある。
Kちゃんはシャンデリア職人。
この黒い爪先が勲章。

Kちゃんの雪国は泣かせる。
コブシころころである。


常連のFちゃんが来た。
何と今日は奥方を連れてきた。
いつものFちゃんは一人で来て、待ち合わせたように
可愛い中年女性K美ちゃんと会う。
周囲では2人はいい仲と見ていたが..。


座敷に座っている60才後半おばちゃんトリオが
私の知らない演歌をはじめた。
その前までこのおばちゃん達は韓国の映画の話などを
熱く話していた。
日本のおばちゃんは本当に元気である。


腹がいっぱいになり勘定を終え、店を出ると
入り口の段ボールの中に看板猫のタマがいた。


細道に「戸締まり用心、火の用心!」と
いう大きな声。提灯を持った6人が通る。
空気が乾燥している。

空を見上げると濃紺をバックに
流氷みたいな雲が広がっていた。
うう寒い!