酉の市

osyousan2005-11-09



昼はビルのスナックでやっているランチを食べる。
こんな素晴らしい青空の昼に、窓がない店に入るのは
もったいないかもし知れない。

夜はスナックだが家賃を払っている以上、
そんなに儲からなくても昼もやりたい。
だからマスターの親が単品のランチを
食べさせている。


週刊ポストを見ながら食べる。
グラビアで第三次小泉内閣細木数子が占っている。
細木の見立てでは麻生、小池、猪口大臣が大中
殺界でどうも上手くいかないと出た。
勢いがあるのは小泉純一郎だけみたい。


細木は何しろ阪神セ・リーグ優勝を当てた、
今一番勢いがある占い師である。


仕事帰りに酉の市に行く。
入谷駅で降り、7分ぐらい歩くと鳳神社に到着。
もうかなりの人が押し掛けていた。
神社入り口の両側に白い神主の衣装を着た若者が
祝詞を言いながらぴらぴらの紙を降っている。
これにより参拝客の頭が清められる。
なかなか賽銭箱まで進まない。


ここは一方通行で流れに入ったら否が応でも
横には行けない。
熊手売場は裸電球に照らされてすごい人だかり。
私は神社のシンプルで一番安い熊手を買う。
これが700円。


商売をやっている人が買う大きな熊手は
値段がついていない。
10万円以上はするだろう(もっとだろう)。
何しろ客は値切らない全て縁起物で済まされる。
慣れた客は、値段プラスご祝儀を払っていた。
買うときはアルバイトらしい若者がシャンシャンと
手拍子。
こんな出費は商売繁盛ですぐに取り返せる。


中年のオヤジ2人が小ぶりの熊手を
「これ幾ら?」と聞いていた。
すると「8千円です」と売り子。
2人は絶句していた。
予算が3千だとか。


帰りに参道にある簡単な造りの大きな店を覗く。
もう満員。
ホタテ貝や焼き鳥が旨そうに焼けていた。


懐かしい金美館通りの飲み屋に入る。
ここは今から8年前に友人がやっていた店。
友人は癌で亡くなったから、今は別の店である。
客はいなかった。
40代半ばのママがいた。
生ビールを飲んで冷や奴、唐揚げを注文。
ママも飲まない?と言ったらまだ早いのでと
やんわり断る。
儲ければいいという店ではない。


昔話をしたら私の友人が店を閉めてから3代目らしい。
唇の下に小豆大の黒子があるママは「客から夫婦でやっていた
が旦那のほうが癌で亡くなったと聞いたことがある」と言う。
8年で3代目とは移り変わりが激しい店である。


生ビールからレモンハイにしてほっけを頼むと、
お参り帰りの客5人が入ってきた。
その中に東南アジアの人が2人いた。
入り口の座敷に座った5人は私と同じ豆腐とほっけを
注文する。
冷や奴を半分にして別々の皿で出せとか、ほっけを
包丁で3等分にしろとかセコイ注文を出していた。

ママによるとお参りの客はちょっと飲んで
1時間くらいで帰るからお金は期待出来ない
という。

また神社参道にある店は酉の市だけやり1日に
100万円の収入らしい。
だから3の酉まである年は300万円。
今年は2の酉まで。


私も小一時間で店を出る。
駅までの道は熊手を手にかざした人が多い。
40センチ四方の熊手を持った男性に
「失礼ですが幾らしました?」と聞いた。
すると「1万5千円です。」と答えた。
後ろにいた奥さんらしい人が「それプラスご祝儀」と
付け加える。


沿道にパトカーが来た。
止まっている車に駐車禁止をマイクで伝えていた。
酉の市は今夜12時までやっているが
11時頃から車で来る人が増えるらしい。
と言うのは水商売の経営者が店を閉めてから
飛んできて熊手を買うから..。


写真小:客から貰ったご祝儀は店の熊手に飾る。
    小さいのでちょっと見にくいかも。
写真大:裸電球の下できらびやかな熊手。
左隅にいる売り子の女性、田中麗奈ちゃんに似てませんか?。