丸の内→浅草

osyousan2005-10-30



江戸天下祭に行ってみた。
東京駅で下車して丸の内中通りに出る。
道の両側に人が集まっていたが
道には犬コロも歩いていなかった。

有楽町方面に行くと「江戸天下祭」の
横断幕の行進が見えた。
江戸火消しの木遣り。
しわがれたお爺ちゃん達の歌声。
その後はおばちゃん達の東京踊りの行進。

やっとソイヤソイヤのかけ声。
やっぱり祭と来れば御輿である。
でも三社祭より元気がない。
からくり人形の山車などが続いたが
途中で見物をやめた。


有楽町のガード下に焼鳥屋があった。
法被を着たお兄さん達が飲んでいた。
昼の1時にオープンしている焼鳥屋はここだけ。
だから込んでいる。
店に入ったがテーブルの上が片づいていない。
「ここ、いい?」と聞いた。
女店主は「どうぞ」と言うが従業員のオジチャンが
「頑張らなくていいよ」と小さな声で呟いた。
もう忙しくてまいっているようだ。

「じゃ、また」と店を出た。
忙しいとサービスが悪いし食べ物が出てくるまで
時間がかかる。


地下鉄銀座線に乗って浅草方面にいく。
浅草の一つ手前の稲荷町で下りる。


ぶらぶらと国際通りを歩く。
ロックスの手前に懐かしいビルが見えた。
エンパイヤステートビルみたいな派手な建物だ。
8年前はここはパチンコ屋のビルだった。
そこの店長をやっていた友人のK。
だがら会社帰りによくここに寄った。
Kは51才の若さで亡くなった。
そして今はパチンコ屋も携帯電話の店になっている。
すぐ裏にデキシーランドジャズの店「HUB」がある。
ここにも連れて来られたっけ。


JRAウイングス周辺が賑やかだ。
今日は天皇賞らしい(競馬はわからない)。
競馬フアンが立ち寄る飲み屋通りにある
「D」に入る。ここは2回目。
狭いカウンターに座り生ビールと
げそ揚げを注文した。
店内と外の椅子を合わせて30人くらいの客がいた。


私の右隣は空席だが今、馬券を買いに
行っているらしい。
奥で飲んでいる3人が盛り上がっている。
その中の一人が「おや、ここにあったタバコは?」と
私に聞く。
確かに私の前にあった。黙ってそのタバコをずらしてやった。
「俺が買ったタバコだ」と酔った顔でいう。
睨んでやった。


その男が勘定!と言って一人だけ立ち上がった。
おや、3人は仲間じゃないんだ。
すると厚化粧のおばちゃんが「おや、ここの2人は?」と
馬券を買いに行っている空席を指さす。
どうやらタバコ男は3人で店に入ってきたようだ。
金額は3,800円。
タバコ男は「知らねえよ」と開き直る。
「なに、ふざけんじゃないよ!一緒に入ってきて知らないとは
言わせないよ」とおばちゃんが豹変した。


大人しかったアルバイトの若造も「この野郎!」と
近づいてきた。面白い場面。
タバコ男は渋々財布から「3千円しかない」と払った。
化粧のおばちゃんが「じゃあ800円持ってくるまで携帯を預かるよ」と
取り上げる。
タバコ男はここで知り合った隣の男に800円借りていた。


店の客全員が、テレビでの競馬中継の合間に
悲しい男の情けない場面を見た。

厳しいもんだ。
店にとって金がなければ客じゃない。
ここに来る客には金を儲けた人と
外れ馬券しか持っていない人がいる。


五重塔通りを行くと前から白い背広を着た恰幅のいい
40才くらいの男が歩いてくる。
その後ろには乳母車を押した若い衆。
デブ男の手首まで刺青が彫ってある。
若い妻が公衆トイレから出てきた。
兄貴が家族と舎弟を伴って歩く図。
やっぱり浅草である。写真をお見せしたいがヤバイ。


素人衆の爺は仲見世で人形焼きを買って帰る。