絵手紙展示会


自転車通勤の途中で白い杖をついた
男性2人連れに会う。
細道は大きくカーブした道路にぶつかる。
そこには信号はない。
車の音が途絶えたのをを確認して
渡るつもりだろう。


背の高い年上らしい人に「まだですよ」と
声を掛けて体を触った。
車が切れたところで「どうぞ」と誘導した。
2人はすぐ近くにある整形科医院のマッサージ師だろう。


2年前50肩で家の近くの病院にリハビリに
通ったことがある。
そこにも盲人のマッサージ師がいた。
明るくとても饒舌な先生だった。
治療にいったが効果はすぐにあらわれない。
5回くらい行って治療はやめた。
結局、半年で知らぬ間に治っていた。
50肩ってそんなもんらしい。


職場に来る客の中に子供連れの若い母親がいた。
母親の携帯電話をいじっていたがそのうち飽きて
ぐずりだした。
母親の顔に見覚えがある。
もしかしたら隣りに住んでいたYちゃん?
子供に人形をあげようとそばに行って
顔を見たら「あら、おじさん」との反応があった。


しかし、笑顔はない。
会話もそれだけ。
この娘(こ)は昔から大人しい。


数年前の夏休みに神社で写生をしていたのを
思い出す。あのYちゃんが母親になっている。
だから爺も年をとる。


昼、ヨーカ堂の4階のレストランに行く。
スパゲティを注文。
ここのナポリタンはサイズがM、L、LLの
3種類あって値段はどれも680円と同じである。
今日はLにした。
味は昔のスパゲティだった。
Lでこの大きさだからLLは凄いだろう。
席から厨房がよく見える。
50席はある大きな店だが女性のコックさん2人で
手際よく調理していた。
あっぱれ!


昼休みに公民館で開かれている「絵手紙展示会」に
行ってみる。
ママの絵手紙教室のA先生の展示会。
先生は受付で楽しそうに世間話。
私は躊躇なく記帳した。男性の名前は少ない。


デジカメを持っていたので「カメラいいですか?」と
聞いてみた。
すると「こんな作品でよかったらどうぞ」との答え。


6,7年間にわたる作品が展示してある。
娘さんに宛てた絵手紙のコーナーで絵手紙に
書かれいる言葉を読んでいて不覚にも涙が出てきた。
そんなとき後ろから先生が私に声をかける。
「どちらかでお会いしましでしょうか?」と。


「妻が先生の生徒です。これを見ていてうるるんと
してしまいました。」と泣き顔になっていた私。
「同じ年頃の娘さんがいると思い出すのでしょう」と
フォローしてくれた。
いや、還暦を過ぎると涙腺が弱くなる。


私が受付ですんなりと記帳して写真を撮ると
言うので、先生は教育委員会の回し者だと思ったらしい。
私は思い立ったらどこへもすぐ行くから
「今日行く委員会」である。