愛犬家殺人事件
ちょっと家を出るのが遅れた。
いつもの交差点で見た顔2人に出会った。
歩いて職場に通う若い女性と自転車通勤の太ったおばちゃん。
ああ、この二人に会えばそんなに遅れていない、と思う。
昼、夜は割烹になる飲み屋「N」に行く。
2人の男性がやっぱりここに入ろうとしている。
追い越してカウンターに座る。
後から男性が入ってきた。
だが一人。
私はトイレに立つ。
トイレのドアが開かない。
そこで後から来た男性の一人が入っている、と考えた。
席に戻って、あとでいいやと座る。
いくら待ってもあと一人の客が来ない。
後で分かったのだが、客は一人だった。
もう一人は別の店に行ったようだ。
トイレのドアが開きにくかっただけ。
今日の日替わりランチは豆腐ステーキとサラダ、味噌汁、それにソーメン。
鉄板にジュージューと音をたてる豆腐ステーキは旨かった。
タレがもうちょっと甘めが良かったかも。
これでたった600円だった。
夕刊を見ると「埼玉県愛犬家殺人 2審も死刑」とある。
ええ?まだ裁判やってるの?と驚いた。
この事件は平成5年に起きている。
ペットショップ経営者夫婦が愛犬家らを4人殺害している。
死体を風呂場で細かくして川に捨て、骨はドラム缶で
焼いて一切の証拠を残さない。
このおどろおどろしい事件は脅されて共謀者となった
男が、刑期を終えてからセミドキュメントの小説にした。
題は「愛犬家連続殺人」で作者は志摩永幸。
素人のはずの志摩永幸が実にいい文章を書く。
この小説は長兄から教えてもらった。
過去にこれだけ興奮して一気に読み切った
ミステリー小説はない。
ある一線を越えると人間は恐ろしいことを平気で犯す。
この日記を書くため、また本棚から「愛犬家連続殺人」を持ち出してしまった。
おお恐ろしい!
今日の日記は後味悪い題材だったのでせめて写真は明るく。