蕎麦のこと
傘をさして居酒屋「M」に寄る。
キャップを逆さに被ったIちゃんに声をかけられた。
「火曜日、Tで飲んでたんだって?Sちゃんからの情報が入ってるよ」と。
その通り。
あの日は、わんこの散歩をして店の前を通りかかったSちゃんに
(独り身のSちゃんは夜散歩する)私の自転車を見つけられた。
奥にいる余裕おばちゃんのTちゃんが優しい笑顔をこっちに向けた。
Tちゃんのカラオケは抜群に上手い。
ここにはカラオケはない。
だからここで勢いを付けてカラオケスナックに流れるのが常。
隣りにコンピューター関係に勤めるMちゃんが座る。
Mちゃんは蕎麦打ち名人。
出来上がった蕎麦をマスターに食べさせたりしているのだ。
「二八蕎麦というが実際は三七がいい」とか「そばの命は喉ごしだ」とか
話題は蕎麦のこと。
私はもっぱら聞き手。
だが食べる方になると「どんな蕎麦でも茹でたてのつるつるがいい」とか
「タレは甘めがいい」とか
「最近は吉川の細川という店が旨かった」など思いつくことをしゃべる。
私が昼によく行く「うるさい女将がいる手打ち蕎麦の店」を名人に
お勧めしておく。
蕎麦もいいけど「うどん」も旨い。
今は亡き父親が手打ちうどんならぬ「足踏みうどん」を食べさせてくれたことを
思い出す。
家に帰ると近所の奥様方3人が来ていた。
そしてPCを使ってサークルの名簿作りをしていた。
その賑やかなこと。
今日来ることを知っていたので、甘いものを差し入れていい旦那を
演じた。
そして私はムックを連れて2階でTVを観る。