雪駄と桐下駄
ママに勧められてアロエのハンドクリームをつけている。
先日韓国に行った方からいただいたものだ。
小皺だらけの手の裏がツルツルとなる。
ツルツルになった手で女性の手を握るわけじゃないが...。
今朝のトミちゃん。
レタスとコオロギの佃煮を食べた。
トミが野菜を食べるとホッとする。
濡れ縁でカナヘビが日向ぼっこ。
トミの後に見ると何と可愛いこと。
気温が低いのかカメラを近づけても動かない。
パチンコ「楽園」に自転車をとめて駅まで。
上野に出る。
日比谷線上野で下車して地下道を通り京成上野駅まで歩く。
この光景、ふと浅田次郎「メトロにて」を思い出した。
似顔絵描きが両側に座っている階段をのぼり西郷さんを観る。
久しぶりである。
明治維新の立役者だが西南の役で国賊となった西郷どん。
その後明治天皇の許しを得てまた英雄として蘇ったのだ。
不忍池に下りる。
境内にふぐの石像があった。
この字は岸信介が書いたもの。
下谷神社まで歩く。
今日はお祭りである。
ただ本番は明日。
お札を売っていた宮司(?)さんに「神輿は出ないのですか?」と聞いたら「神社の神輿は明日ですが町会の神輿は出ますよ」と言う。
町会の神輿と出会うかもしれないとブラブラ浅草まで歩く。
時間が早いのか(正午前)出会わない。
かっぱ橋商店街のニイミの顔デカコックが見える。
おお横顔もいいじゃないか。
聞くところによるとこのモデルはオーナーらしい。
東本願寺の裏を通る。
浅草寺本堂に匹敵するくらい大きい。
なのに観光客は少ない。
何故だろう?
浅草まで歩くと「ロンドンバスに乗りませんか?東京スカイツリーをぐるっと回って25分です。」と誘われた。
あの2階建のバスである。
乗って見ようかとグラッと気持ちが動いた。
しかし「喉が渇いたからビールを飲んでから」と心にストップがかかる。
入ったのはいつもの「N浅草」。
「まずビール」と言うとオバちゃんが「生ビールは中ですか大ですか」と言う。
そりゃ大がいい。
いつもは瓶ビールだった、オバちゃんのテンポに乗ってしまった。
最初のツマミはマグロのやまかけ。
出て来たやまかけを見て驚いた。
小さい、これじゃあお通しだよ。
私の隣にサングラスをかけたオヤジが座った。
足元を見たら雪駄(せった)。
衣装も上下黒。
このかっこうはヤクザ屋さんか職人である。
いつもなら機会をとらえて声を掛けるのだが話しかけるのはやめよう。
その次はコロッケ。
そして飲み物はチューハイ。
正面のTVを観ながら小一時間。
伝票を持ってレジへ。
レジの前で仏頂面したオーナーが立っている。(レジの中は若い女性店員)
先ほどくわえタバコで皿を片づけていた。
普通なら怒鳴られる。
あんなことオーナーじゃなけりゃ出来ないよ。
おやレジの上にオーナーの似顔絵があるじゃん。
「あの絵、似ているねえ!描いたのはどこの絵描きさん?」とオーナーを見た。
「うん、浅草の絵描きだよ」。
「それにしても社長はタバコが好きだね、絵もタバコを持っているよ」と続けた。
「これ撮ってもいい?」と聞くとオーナーが「いいよ」とニヤリ。
浅草寺の宝蔵門。
何回見ても美しい。
そしてスカイツリーとのコラボもいい。
浅草観音温泉のとなりに「峠の立ち食いうどんそば」が出来た。
盛りソバが食べたい。
カウンターで盛りソバを受け取って外のテーブルで食べる。
カバンから買っておいた氷結を出す。
背中にフワーッと熱い空気が当たる。
隣の温泉からだった。
途中で座る場所を変えた。
そうだ二階建てバスがあったんだ、でもホロ酔いで面倒になった。
そのまま駅のほうへ歩く。
アーケードで金髪女性がカメラを構えている。
今日は「シャルアイ テイク ア フォトグラフィ?」とは言わなかった。
見るだけ。
交差点で信号待ちをしていたら和服にカンカン帽子の旦那。
さすが浅草である。
足もとを見たら高そうな桐下駄。
三社祭で練り歩く旦那衆もこのような格好をしていたなあ。
その三社祭も来週に迫った。
先ほどの雪駄、そして桐下駄、さすが浅草。