老人に夢を売る



私の腰痛も大分和らいできた。
もうムックの散歩に行ける。


イラガに刺されて大騒ぎをしたのが4日間前。
それ以来行っていない緑道公園で散歩。


リードにつないで注意深く下を見ながら歩く。


土曜日には紅葉の下にイラガの幼虫が10匹ほど転がっていたが、その姿がない。
もうムクドリに食べられたのかも。


水辺に薄ピンクの花が咲いている。


名前はわからない。


我が家に帰るとハイビスカスの花が開いていた。
強烈な深紅である。


T橋クリニックへ薬をもらいに行く。


診療所の上が老人ホームになっている。
ここに入るのは高いだろうなあ。


今回は痛風の薬と便秘の薬をもらう。


その後は銀行に行き生活費をおろす。
暗証番号を押すたびにこれで良かったかな?と思う。
2回ほど変更しているから。


忘れそうである。
そうそう、今日の「ためしてガッテン」は認知症だった。
私も人名などの固有名詞をよく忘れる。
ちょっと不安。
ママに「その節はよろしく」と頼んでおいた。


ビルバリエにある大型書店に行く。
文庫本になった「悪人」を買うつもり。
1冊だと思ったら上下2冊。


うーん、暗い小説を2冊も読むの?
じゃあ映画を観てからにしょうかな、と気持ちが変わった。


バリエを出て自転車に乗ると向かい側から車が来た。
おいおい、ここは一方通行だよ。
自転車整理員のオジサンが両手を広げて合図をしていた。
運転手はオバチャンだった。


家に戻るとママは整形外科に行っていて留守だった。
鍵を開けて居間に入るとテーブルの上にあったお菓子の箱が散らばっていた!
その横にリモコンもある。
犯人はムックだな!


お菓子は今月初めに行ったバス旅行のお土産、柿ゆべし。
もう古い。
「ムック!」と呼ぶ。


来ない。
玄関のところでぼーっと立っているムック。


我々がいるときは絶対テーブルの上に乗らない。
バカなのか頭がいいのか。



今日は嬉しくなるほど涼しい。
ママ、ムックとスーパーバリューで買い物。
ますは生活館でムックのドッグフードを買う。


ママが生鮮食料館に入ると私とムックは外で待つ。
店の前にある宝くじコーナーのベンチに座る。


お年寄りが頻繁に窓口に来る。
老い先が短い老人に夢を売っている場所だ。
ほとんどの客は売り場担当のオバチャンと顔なじみ。
中にはノートに当選年番号を記入している人も。


ロトの場合は当選すると賞金は億単位になる。
当たった瞬間心臓まひで倒れるお年寄りがいるだろう。


買い物の帰りは元荒川の土手で散歩。
ここ数日の豪雨で本流の水量も増して流れも急である。

葛西用水の細い流れも雨で太くなっていた。
その中でシラサギが魚をついばんでいる。
この鳥は優雅である。

土手下を歩く。

ママが左手に持っているのはムックのウンチ袋。


そのムックと言えばまるでクマゴロウのような顔。