代行運転


寒そうな水面にカモがじっとしている。
良く見ると首のあたりがブルーで綺麗だ。


これから旅行に出かけよとしているママに実家から電話。
義母の具合が悪いという。


事情を聞いたら食当たりのようだ。
ママの代わりに私が車を飛ばす。
代行運転だ。
タクシーより私が行ったほうが早いかも。


休日当番病院へ連れていく。
当直の医師は外科が専門だった。
それでも緊急を要する病状じゃないと診断。
そして点滴。


待っている間病院前の親水公園を散歩。
どこでも見かけるようなネコちゃんがいた。



1時間ほどの点滴を終えると義母の腹痛も収まり歩いて車に乗った。
89歳の義母にはまだまだ元気でいてもらいたい。


実家からの帰り道ラジオを聞いていたら中島みゆきの「ホームにて」という歌が流れた。
家族の待っている故郷に帰る情景をうたった歌だ。
歌いやすいそれで心に残るメロディ。
小説の一場面のような歌詞、どうしても聞き取れない一小節があった。


家でインターネットで調べたら今から32年前の作品だった。


帰るとムックが大喜び。
ドアを開けると外までスリッパをくわえて出てきた。
それは自分の体の半部くらいあるやつ。


昼食はスパゲッティを作る。
一人用を作るのは、たぶん初めて。
材料を並べた。
ズッキーニ、にんにく、鷹の爪、ホールトマト缶詰、ウインナーソーセージ、隠し味のカツオの塩辛。

このカツオの塩辛がスパゲッティを美味しくする。
タイにいる婿殿もこれを愛用しているらしい。


出来上がるとフライパンをそのまま食卓へ。
氷を入れたコップに缶ビール。



午後は年賀状の図案づくり。
と言っても図柄はママが既に完成。
それをパソコン取りこんで気の利いた文章を添えるだけ。


これに2時間のめり込む。



夕方にムックの散歩。
帰って来るとムックの夕飯を作る。
ママがいないのでムックも元気がない。


ムックが食べ終わって炬燵の中に入ったので、そーっと外に出る。


行ったのは居酒屋「W楽亭」。
ガラッと開けるとカウンターに少年がいた。
その向こうのお爺ちゃん。


「女どもが色んなところに出かけたので、孫を連れて居酒屋で夕食だ!」とお爺ちゃん。
小学校4年くらいの少年はジュースと焼き鳥、海老フライ食べていた。


お通しは鶏肉と厚揚げ。
その後はあこう鯛粕漬け、揚げモチ大根おろし



居酒屋のスポーツ新聞を見たらタイガーウッズの記事が一面。
浮気問題で引退するかも?
この写真はブロンドの水着に好奇の目を向けるウッズ。


他の新聞にはエロウッズとの見出しもあった。



孫と飲んでいたお爺ちゃんが「ウッズはもうだめかも、ゴルフは紳士のスポーツだからな」と言っていた。


居酒屋の帰りに駅前のスーパーに入りぶどうパンを買う。
酔うとパンを買うのは病気?


家に帰りムックにおやつをあげる。
おやつの時は「お椅子のポン!」と声をかける。
すると籐椅子の上で待っているのだ。
節穴のような目で。