定年間近の小学校の先生

osyousan2009-03-09


朝の8時、南越谷駅東口のロータリーに面した喫煙場所でボーっとタバコを吸う人たち。
みんな同じ方向を向いている。
「さあ、今日は会社に行って何をしようか?」と考えているのだ。



浦和駅に着いて通路を歩く。
ゾロゾロ歩く集団の中に知っている顔があった。
茶髪と小さなメガネ、彼に間違いない。


声をかけようと思ったが名前が浮かばない。
改札口を出るまで思い出そうとア行からつぶやく。
マスクをしているから他人には気づかれない。


結局思い出せなかった。
彼は埼玉県庁のほうに行ってしまった。


職場の机に着くと突然名前がよみがえった。
なーんだ、ア行にあった名前。


昼食はボスと日本蕎麦屋
二人の顔を見ると女将は「盛り蕎麦の大小でいいですか」と決められてしまった。
12時からの30分がこ店の稼ぎ時。


忙しいと厨房の亭主と女将の口喧嘩が始まる。
品だしのカウンターにドン!と蕎麦湯を投げるように置く。
それがこぼれてびしゃびしゃ。


すごい顔をして厨房を睨む女将。
仲よくお願いしますよ。




麻雀の友T崎さんに教えてもらった居酒屋に行く。
東武線高架の向こうにあるHというカラオケ居酒屋。
マスターの顔に見覚えがあった。


3年くらい前、駅から国道に向かう商店街にあった大衆酒場Tの鮮魚担当の板さんである。
安くて食べ物が旨いのでよく行ったもんだ。


カウンターに座る。
隅にいた中年男性が私を見て会釈した。
小学校の先生だそうだ。


先生は泡盛の水割りを飲んでいる。


私はマカロニサラダをつまみに、飲み口のいい沖縄オリオンビールを飲む。


先生はこの3月で定年退職。
退職後は福島に買ってある820坪の土地と家に住むのが楽しみ。
この物件、なんと500万円で買ったとのこと。
土曜日のTVに「人生の楽園」という番組があったなあ。


先生、離婚はしないが奥さんとは上手くいっていない。
退職金は折半して奥さんは出身地の沖縄に帰る。


今、担任しているのが小学校2年生。
2年生は言うことを聞かない。
一番いいのは5,6年生だ。


先生がカラオケ券を1枚くれたので歌った。
この店はカラオケ1曲100円だが、カラオケ券を買う。
千円で11枚。


歌った曲は「もしピアノが弾けたなら」。
先生は演歌は好きじゃないのでこれを選んだ。


先生の歌はスピッツさだまさしなど。



先生の話は続く、、福島に行き単身暮らすつもりだが、誰か相棒がいたら紹介してほしいと頼まれた。
それは男でも女でもいい。
ただし、女性の場合は結婚はできない、と真面目に言われた。


一緒に住む条件は月に3万円の生活費を入れること。


オリオンビールの後はレモンサワーを2杯飲み、仕上げは鉄火巻きにした。




WBCの結果は家に帰って知った、韓国に0−1で負けた。
見ないでよかった。
イライラしただろう。


ネズミのようなムックが「月曜日は休肝日じゃないの?」と私に聞いた。
「いや、明日は休み、だから休日の前は飲みます」と答えた。