ミスター・マーキング
着いたのは9時5分前だった。
キャッシュコーナーは開いていたがその奥のシャッターは閉まっている。
お年寄りが2人その前で待っていた。
時間つぶしに辺りを一周する。
よその庭に咲いているノーゼンカズラやサルスベリを見る。
銀行に戻るとさきほどのお年寄りがローカウンターに座っていた。
「私の指先、そう、ここにお名前と、その下に金額を書いてください」
フロアー責任者が親切に応対していた。
住宅地にある銀行のターゲットは年金受給者である。
コンビニで週刊現代を買う。
そしてダイエーの前にあるマックに入る。
100円のアイスコーヒーを飲みながら涼しい店内で週刊誌を読む。
私以外にも、やっぱり同じような老人がいる。
「朝青龍モンゴルビジネスの闇」の記事につられた。
日本の国技である相撲で稼いだ金を、モンゴルに持ち込んで事業をやっているらしい。
先月皇太子がモンゴルを訪問しているが、宿泊したホテルは朝青龍が経営しているホテル。
表面上の経営者は朝青龍の両親だが..。
そうそう昨晩行った居酒屋のマスターが、「朝青龍は元々性格が悪いよ」と言っていた。
マスターのご子息はつい最近まで相撲取りだった。
丁度、TVで「朝青龍は、うつ病一歩手前で食事も喉を通らない」というニュースをやっていた。
それを詳しく報告している医者。
とても怪しい。喋りすぎ。
まるで身内のようだ。
昼間、ムックを連れないで神社を歩く。
この暑い時期、昼にワンコを散歩させることはできない。
セミの声を聞くためだ。
ジャー!という凄い鳴き声。
男の子3人がセミの抜け殻を集めて遊んでいた。
「セミの抜け殻なら、うちのゴーヤの葉っぱに4個もついているよ」と教えたくなった。
夕方涼しくなってからムックを自転車に乗せて土のある緑道公園まで。
アスファルトはまだ熱い。
ムックは小さいくせに一人前に足をあげてマーキングをする。
その数20回じゃきかない。
以前、近所の小5の男の子が散歩についてきたことがある。
そしてムックのオシッコの数をカウントした。
30回は越えていた。
だから最後のほうは足をあげるだけで、出ない。
体が小さいからよそのワンコが残したオシッコが付着する。
これが困る。
散歩から帰ると体を洗うのが大変だ。
ミスター・マーキングと命名した。
写真は新聞の上に乗っているムック。
何しろ物の上に乗るのが好きである。
家の中ではネバー・マーキング。