チャンジャ
神社の境内が大相撲の土俵のようにほうき目が入っている。
朝、ここを通ると気持ちがいい。
ムックの足跡がつくくらいだ。
ご近所の方が毎日やってくれている。
今日は3年くらい前に引っ越してきた中年の婦人が箒で掃いていた。
彼女は独身で、出勤のとき鼻歌を歌って我が家の前を通る。
「あら、大人みたいな顔になったわね」と手袋を脱いでムックを触ってくれた。
昼は「大戸屋」のカーブした階段をあがる。
注文したのはチキンカツの梅おろし定食600円。
ここのメニューでは安い部類に入る。
例によって「ご飯の量はいかがしましょうか?」と聞かれた。
ちょっと間をおいて「普通盛りで..」と答えた。
揚げたてのカツは旨い。
カツにはキャベツが切っても切れない間柄。
カツを一口、そしてシャキシャキのキャベツを噛む。
おっと写真を撮るタイミングが遅れた(写真小)。
ご飯も美味しい。
多分、あごあたりにご飯粒がついているだろう。
でも一人用のカウンター。
前が壁である。
食べ終わるまで気にしない。
昼にカツが美味しいというのはまだ健康だということ?
帰りに居酒屋「M」に寄る。
今日のお通しは、いくら醤油漬けとカツオだった。
かなり豪華。
これでお摘みはいらない。
派手なシャツを着たSちゃんがサンマを食べていた。
「おや、今日はお休み?」と聞いたら
「いや、気楽な直行、直帰ですよ」と答える。
つまり朝、直接現場へ、そして帰りは会社に戻らずそのまま家まで。
これは気楽だ。
戸が開いてTさんが顔を出す。
そして私を見て「あら、いけねえ、忘れた、誰か自転車ある?」と言う。
そこで私の愛車を貸す。
戻ってきたTさんはビニール袋を私に突き出した。
中身はチャンジャだった(写真)。
韓国のキムチの一種である。
鱈の胃袋をキムチ風に辛く漬けたものらしい。
そういえば先週、Tさんと隣になったとき私がキムチ豆腐を食べていた。
Tさんが「豆腐にはキムチよりチャンジャのほうが旨いよ、今朝も食べてきたよ」と言った。Tさんは単身赴任の重役である。
有難いものだ。
「ここで冷奴を頼んで、食べたら?」と言われたが
「家に持ち帰ってゆっくり頂きます」とカバンにしまった。
家の前まで来るとお隣の未亡人が雑草を取っていた。
この未亡人、暗くなると活動する。
挨拶すると自転車をとめた私に近づいてきて
「麻雀、おやりになるんですか?こんどお誘いしてもいいですか」と
思わぬ言葉。
なんで知ってるんだろう?
家の中に入ると、タイから一時帰国した娘は親友と食事に行くところ。
ママから自転車の鍵をと家の鍵をもらって出て行った。
ソファの下でギョロっと目を向けたムック(写真)。