マスク
春のような暖かな陽気。
さすがにマフラーはいらない。
でも花粉が多く飛んでいそうなのでマスクをして出勤。
接客をしていたら受付で私に「来客です」という声。
見るとマスクをした老人が立っている。
誰だか分からない。
よく見たら昔の上司のTさんだった。
人と会うときはマスクは取りなさい、と言いたかった。
「もうすぐ終わりますからお掛けになって待ってください」と
椅子を勧める。
接客が終わって入り口の椅子を見たらTさんはいない。
「時間がかかりそうなので」と帰ったそうだ。
まあ、用事はなかったのだろう。
でも元気なTさんとまた会えるか心配だ。
聞くところによると大病をしてまだ完全じゃない。
自転車で帰る途中、何人かの人と会った。
思わず挨拶をしたが、相手はキョトンとしている。
そうだ、私はマスクをしていた。
マスクは人相を隠す。
居酒屋「M」に旅行の写真を持って行く。
私が撮ったデジカメは126枚。
その中で全員が映っているように77枚を選び
スパーファイン紙にプリントしてアルバムを作成した。
コンパクトフラッシュカードを渡し、個人的に欲しい人はマスターにお願いします、と添えた。
マスターは最近、ジャパネットタカダでプリンターつきのデジカメを買っているのだ。
ぞくぞくと客が入って来てアルバムを見る。
オレの酔った姿は見たくねえやと言うオジサン。
私、こんなに皺はないわよ、と言うオバサン。
まあ、まあ、思い出ですから..。
ここで川柳「写真見る 自分じっくり ひと飛ばす」
隣りに座ったシーズ命のSちゃんに、愛犬がシャンプーカットで使っている店を聞いた。
ちょっと今回のムックの仕上がりは素人みたいだから..。
西口にある動物病院のトリマーが丁寧で親切だという。
それに4千円くらい。次回はここにしよう。
戸が開いて近所の嫌われ婆さんが入ってきた。
若い男性と一緒。
この婆さんは飲み屋を回って歩き、いい加減な噂を振りまく。
それが原因で夫婦別れした人もいる。
これホント。
店を出るときママに「あの婆さんに余計なことを話さないで」と
耳打ち。
家に帰ると玄関マットに仰向けになったムックが両手両足を広げて
歓迎してくれた。